遠藤良亮 展-動物たちのいるところ-
会期:2022年2月12日(土)-3月4日(金)
作家在廊日:2月12日、13日、17日、20日、21日、26日
※何れも午後13時半頃からの在廊を予定しております
【作家コメント】
今回、展示している作品のすべてが、「新聞紙」、「シュレッダーで裁断された紙」を
使用し制作しています。
・新聞紙
新聞紙は現代社会を具現化したもののように思う。自分が生活しているだけでは知ることのできない情報が詰め込まれている。人間中心の世界ではあるが、多種多様な動物も同一時間で生活している。
新聞紙は古紙から再利用してつくられ、そしてまた新たな新聞紙へ再利用することができる。生き物が生まれて、子孫を残し、死んでいく。世代を超えて受け継がれることが似ているなと感じている。
今、生きている動物たちに「今」を取り入れて制作している。
・シュレッダーで裁断された紙
シュレッダーで裁断された紙は、繊維を細かくしすぎ再利用することが難しい。情報漏洩を防ぐためもあり、ほとんどが焼却処分される。この素材を制作に使えないか試みた。
「Paradise of life」
ブレーメンの音楽隊には、歳をとり仕事をこなすことができなくなった動物たちが登場する。動物たちは人間に不要とされ逃げ出した。 再利用せず、焼却処分される紙を使い、ブレーメンの音楽隊の動物たちをつくる。現代の使い捨て社会に問いかける作品。
「Silhouette」シリーズ
カービングを主体とした制作(木彫や石彫など)ではブロックから形を彫りだして作り上げる。彫って削ったところは形として残らない。そんな「彫刻にならない部分の彫刻」をこの素材を使い、形にしたかった。
紙という素材を使い始め、いろいろな技法を試したことで、紙の木のような温もりのある表情や石のような固い表情、いろいろな表情を発見しました。紙のおもしろさを見ていただければと思います。
経歴
1991年 静岡生まれ
2014年 多摩美術大学 美術学部 彫刻学科 卒業
2015年 第25回紙わざ大賞 Pam賞
2016年 多摩美術大学大学院 美術研究科 彫刻専攻 修了
2017年 新聞紙の変身展 / 浜田市世界こども美術館
2018年 多摩美術大学 共通教育研究室 副手 着任
第28回紙わざ大賞 Pam賞
2019年 神の紙技 ーカミノシワザー 紙の神業 / FEI ART MUSEUM YOKOHAMA
2020年 多摩美術大学 共通教育研究室 助手
紙のびっくりワールド展 いろいろな紙のアートの世界 / おかざき世界子ども美術博物館