


館・游彩は、” 使い手と作り手の距離を縮める” ことをテーマとし、多くの作家の協力のもと、「用」を伴った作品を、積極的に住空間の中に取り入れようという実験ハウスです。今まで作品表現が中心であった作品制作に、「建物との取り合わせ」というあらたな制約が付け加えられ、その制約の中でいかにアートとして表現できるかというテーマに対して、作家たちがプライドをもって挑戦しています。そこには工業生産品にはない大きな魅力があるはずです。使い手と作り手とのこだわりの作品が暮らしの中に一つでも増えることによって、生活の中にきっと心の豊かさが生まれてくると思います。
今後の活動として、館を3 週間単位で、さまざまなジャンルの作家に明け渡します。その期間は陶・漆・アクリル・金属・木工などの作家が館の空間を自分の作品ワールドとして表現していただきます。従来の個展と違い、空間が無機質なギャラリーではなく、あくまで住空間の中での作品発表です。生活とともに存在するアート空間への作家たちのチャレンジです。日本の現代工芸の世界が広く展開し、発展していくことを切に願っております。
館・游彩 ヌシ 矢崎孝子