2012.12.17

館の玄関に一輪の蓮の花が咲きました。糸賀英恵作 金工

銅という硬質な素材を使いながら、その冷たさを感じさせない優しいフォルムと彩色で仕上げてくださいというお願いに、苦労なさったようでした。
何度も打ち合わせを積み上げ、およそ半年の時間を掛けました。

1.5㎜と1.2㎜の銅板をV字型にカットし、熔接で繋ぎあわせて大まかな立体を制作した後、金槌と当て金で全体に滑らかなラインになるように鍛金していきます。蓮の持っている優しさと、凛とした上品な強さのイメージを表現できるように、一枚一枚の花弁に心を込めて成形なさったそうです。
その作家の思いが見事に表現された美しい傘立ができあがりました。

白とシルバーの塗装が施されていますが、内側の優しいピンクは、ヤスリを掛けることによって銅のぎらぎらした色が抑えられ、塗装が施されている部分とうまく溶け込んでいます。

底には水はけ用の穴が、内側には持ち運び用の取っ手がついており、「用」の部分の心配りもなされております。
蓮の花は早朝からゆっくり開いていき、10時ごろには閉じてしまいます。館の蓮はこれから花びらを開いていくエネルギーを感じさせます。

玄関の脇にひっそりと咲いています。ご来館の際はお見逃しなく。

<素材>銅
<塗装>ウレタン塗装 加瀬由紀(アトミックアート)
<サイズ>径:34㎝ 高さ:51㎝

(プロフィール)
糸賀 英恵 (ITOGA HANAE)

1978 神奈川県生まれ
2001 多摩美術大学デザイン科立体デザイン専攻クラフトデザイン専修金属コース卒業
2003 多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻修士課程修了
2003 ヒコ・みづのジュエリーカレッジ ジュエリー専門課程メタルクラフトコース常勤講師(〜2011)
2011 〜 横浜美術大学工芸領域専任助手