2017.3.7

手すき和紙体験会

2月25日(金)に「手すき和紙体験会」が実施されました。
昨年に引続き、講師には元軍道紙職人の中川幸子氏をお招きし、
原材料とする楮についての説明から、和紙の制作工程を教えて頂きました。

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先生が持っていらっしゃる木の枝、
これが原材料の「楮」です。
これを和紙にするために、様々な工程を
経ていくのですが、どの作業も大変な時間と
労力を要します。

楮は12月から1月に収穫が行われるので、
今回も先生が栽培された楮の皮を剥ぐ作業から
体験する事ができました。

 

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まず、白く、平らな和紙を作る為に、蒸した楮の皮を剥ぎ、繊維を取り出します。
表皮は三層になっており、一番外側と緑の繊維部分を削ぎ落し、
白い部分のみ残します。

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削ぎ落しきれなかった皮やゴミなどを丁寧に取り除き(ちりより)、繊維をほぐす為、よく叩いて柔らかくします。

根気と細やかな気遣いが求められる作業が続きます。
そうして取り出された楮の繊維は、枝の状態から比べると
ほんの僅かにみえました。

次に、舟と呼ばれる容器にほぐされた楮に水、トロロアオイから抽出した
粘液をよく混ぜ、簀桁(すげた)と呼ばれる専用の道具を使って
漉いていきます。

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舟に簀桁(すげた)を入れる角度によって、寄りができてしまうので、
気を抜くこともできません。

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そうして漉いた物を板に張り付けて乾かし、やっと「和紙」になるのです。

今回の体験会を通して、ご参加頂いた皆さまも、伝統技術を引き継いでいる職人の凄さ、
大変さの一端を感じて頂けたのではないでしょうか。
私も改めて身の回り物を大切にしていきたいと思いました。

余談ですが、白い紙を作るために取り除いたゴミ(ちり)に集めて紙になります。
これがいわゆる「ちり紙」です。紙そのものが、とても貴重な品だったと
知ることができるエピソードですね。
中川先生も、受講中に使用された楮は全て持ち帰られ、和紙にすると
おっしゃってたのが印象的でした。

 

講師のご案内
中川幸子 (紙しごと双清 代表)
軍道紙(東京都指定無形文化財)の元職人。
伝統的な流し漉きでの紙漉き体験の折に、原料である楮が紙になるまでの過程を知り、
工程を知ってもらう事が和紙を知ってもらうことと考え、
自分で育てた原料と道具一式を持参しての出張紙漉きを始める。
同時に、原料である楮・とろろあおいの栽培・加工・流通の仕組みづくりを開始。

HP:http://www.kamishigotosousei.com/