2013.12.1

日本のウルシを未来につなぐ

江戸時代までの日本は、漆がなければ生活できませんでした。

鞍や刀、家具、漆器など現代のように、ペンキや、プラスチックがない時代には大活躍でした。

しかし、現代の生活の中で、漆製品は徐々に影をひそめてきています。

高い、使いにくいなどの理由で、特に若い方の生活の中には、必要とされないものとなっています。

日本における漆の歴史は古く、現存する最古のものは、9000年前の北海道の垣ノ島遺跡(縄文時代前期)から発掘された漆の装飾品があります。

また、江戸時代末には、海外で漆=ジャパンと言われ、その美しさが国際的にも認められています。

その日本の代表的な漆の存続が危機にさらされております。

一掻きで採れる漆はほんのわずか

一掻きで採れるウルシはほんのわずか

漆の木は、かぶれるということで、植栽の場所も限られてしまいます。

またウルシが取れるまでには、植栽から10年から15年ほどの歳月を必要とします。

漆の木は、日当たりと水はけの良いところを好みますので、下草の処理が必要です。

ウルシが取れるまで、色々と保護が必要な樹木です。

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漆の苗木                                       成長するまでには年に数回の下草処理・害虫駆除が必要です。

漆の植栽、その管理、そして漆を掻く仕事は、漆掻き職人が行っておりますが、とても根気のいる仕事であり、ウルシを採取する時期が限られておりますので、それだけでは生活が成り立っていきません。

結果、後継者不足、職人の高齢化などの問題を抱えております。

漆掻き職人の飛田祐造さん

漆掻き歴50年の飛田祐造さん。ウルシの質・量は職人の腕にかかっている。

現在使われております国産漆は僅か全体の2%程度で、殆どが中国やベトナムからの輸入漆に頼っております。

しかし、中国でも同じような現象が起こっております。

若者たちが、町に働きに出てしまい、やはり職人の高齢化が問題となっております。

毎年中国からの漆の輸入量も減少しております。

将来的に、輸入漆に頼っていられる状況ではなくなるかもしれません。

植栽から、ウルシが採取できるまでの期間を考えますと、今この問題に手を付けなくては、漆そのもの、それを採取する技術が途絶えてしまう危険性があります。

掻き終えると伐採される漆の木     伐採された切り株からひこばえが生えてくる

掻き終えると伐採される漆の木      伐採された切り株からひこばえが生えてくる

漆の木は地球上どこでも育つわけではありません。

日本、中国、韓国、そしてベトナムなど、限られたところでしか育ちません。

またきちんと10年後を見据えた植栽さえ続けていけば、永遠に採取続けることが可能です。太古から続きましたわが国の漆文化を我々の時代で途絶えさせていいものでしょうか・・

そんな思いで、「漆掻き職人の育成」「漆の植栽」をテーマとする、NPO「麗潤館」を立ち上げることにしました。

本部を茨城県北部の大子町に設置致します。

緑豊かな田園風景を保っている大子町

緑豊かな田園風景を保っている大子町

大子町は、古くから大子漆の名称で、透明度の高い、上質なウルシを産出しております。

何よりもの財産は、漆掻き職人の方が数名残っていらっしゃることです。

その地を中心にわが国の誇る漆文化を次の時代に残せる活動をしていきたいと願っております。

麗潤館が完成するまでは、館・游彩を仮事務所としております。
ご賛同いただける方々に、「漆基金」の賛助金のお願いをさせていただきたく存じます。皆様のご理解、ご協力を心より願っております。

ご質問などございましたら、当ギャラリーまでお気軽にご連絡くださいませ。

館・游彩 矢崎孝子(麗潤館・館長)

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